企業や会社の成長のためには、現状を把握し問題点がある場合は改善していかなければ、成長が著しく遅れてしまうことがあります。この現状を把握する方法は幾つもありますが、一番重要なものに利益の存在があります。利益が赤字なのか、黒字なのか、プラマイゼロなのかで、今後の存亡に大きく関わってくるからです。もし利益が少ないようであれば、企業や会社はいずれ成り立たなくなり、社員に給料を支払うこともできなくなってしまいます。逆に大きな利益を上げているのならば、次のステップアップに繋げることで、更なる利益の獲得ができる可能性もあります。
では利益を把握するには、どのような方法があるのでしょうか。まず最初に挙がるのが、一定期間の収入と支出を計算し、利益、損益を算出する決算業務があります。企業だけでなく国・地方公共団体も決算を行うことが法律で定められています。当事務所でも決算業務に関する依頼を多数受けておりますが、ここでは決算書について触れてみたいと思います。
決算書と呼ばれることが多いですが、正式には財務諸表と言います。一定期間の経営成績や財務状態の確認、証明のために作成される書類であり、株主資本等変動計算書、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書などが財務諸表です。
今後、上場会社を含めた株式会社を想定した場合、株主と経営陣という関係が出てくるため、株の所有と経営は分離して考える必要があります。時と場合にもよりますが、基本的に株主は、出資した資金を経営陣に委ねる形になるため、資金運用の流れを把握し、運用状況を報告する決算書などが必要になります。この決算書は出資者だけでなく、企業をとりまく様々な関係者の現状把握や金融機関が融資する対象企業を判断するための材料になります。